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【エクササイズコラム】運動をしていない間も脂肪燃焼がされる、EPOC

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この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

「朝に運動するとその後も代謝が上がってダイエット効果が高い」と聞いたことはありませんか?この生理学的現象を「EPOC(Excess Post-exercise Oxygen Consumption)」と言います。運動後も脂肪が燃焼されるのは夢のようですよね!

今回は、そのEPOCを最大化させる方法などについて書いています。

EPOCとは

運動をした後も、体で使う酸素の量が安静時よりも増加した状態が持続されることを、運動後余剰酸素消費量「EPOC(Excess Post-exercise Oxygen Consumption)」と言います。EPOCを生み出す要因については、乳酸やホルモンレベル、基質利用の状態など諸説あります。

簡単に言えば、運動が終わった後もエネルギーを消費し続けている状態のことです。さらに、長野らの研究では、消費するエネルギーは、糖質よりも脂質が優位に消費されていると報告しています。

運動していない時も脂肪が燃焼され続ける夢のようなEPOC。この効果を最大限に得る運動はどのようなものでしょう。

 

中等度の運動よりも「9倍」脂肪燃焼できる!

Tremblay Aらの研究では、13名の男性と14名の女性を対象に(ともに非活動的な生活)、HIITトレーニングを15週間行なった群と、中等度の強度の有酸素トレーニングを20週間行なった群を、その後の皮下脂肪がどれだけ減少したか比較しました。

トレーニング内容は以下の通りです。

 

HIIT群 有酸素運動群
運動内容 有酸素性セッションと 短時間( 15 ~ 30 秒間を 10 ~ 15 回)の高強度運動と長時間( 60 ~ 90 秒間を 4 ~ 5 回)のインター バル。 最大心拍数の60 ~ 85 %  で 30 ~ 45 分間の有酸素性運動。
運動期間 15週間 20週間

 

普通に考えれば、有酸素運動群の方が1回の運動時間も、期間も長いため、こちらの方が体脂肪減少効果は高いと思われるでしょう。

平均の総消費カロリーでは以下の結果でした。

HIIT群 有酸素運動群
 13,614 kcal  28,661 kcal

やはり、有酸素運動群ではHIIT群の2倍以上、カロリーを消費しています。ここまでも、有酸素運動群の方がダイエット効果は高いと思います。

しかし、「カロリーを消費したい」ために運動する人は、言い換えると「脂肪を減らしたい」ために運動していると思います。では、肝心の脂肪量の減少結果は以下の通りです。脂肪量の測定は、6箇所の皮下脂肪の厚みの総和の平均を取っています。

 

HIIT群 有酸素運動群
- 13.9 mm -4.5 mm

 

なんと、明らかにHIIT群の方が有意に皮下脂肪を減らす結果になっています。この研究では、HIITプログラムによって誘発された6つの皮下脂肪の合計の減少は、ETプログラムによる減少よりも9倍大きかったと報告しています。

運動時間・期間ともに圧倒的に短いHIITですが、皮下脂肪減少効果は有酸素運動の9倍。

つまり、HIITによる運動はEPOCの効果が高く、運動していない間も脂肪燃焼が継続されていると考えられます。

 

最後に

忙しい方、楽して痩せたい方には朗報のEPOCでした。

短時間でも、「高負荷」な運動を行う事が、反対に時間的には楽ができます。

ただ、運動に慣れていない方が急激に高負荷な運動を行なってしまうと、翌日筋肉痛で動けなくなったり、辛すぎて嫌気がさし、続かないということに繋がりません。

長野らの研究では、最大酸素摂取量の58%でEPOCを12時間認める事ができたと報告されています。この研究の被験者たちは、全員トレーニングを行なっていない方達で、それでも1時間疲労困憊せずに運動ができています。

つまり、EPOCによる最大の恩恵を預かるにはHIITのようなエクササイズが最適ですが、中等度の負荷量の運動でも効果がゼロではありません。

理想的な運動の仕方としては、まずは始めやすい緩やかな運動から行い、慣れてきたら少しずつ強度を上げ・時間を短くし、サクッと終わる事かもしれません。

 

 

参考文献

MAYUMI NAGANO:EFFECT OF EXERCISE AT VENTILATORY THRESHOLD ON MAGNITUDE AND DURATION OF EXCESS POST-EXERCISE 02 CONSUMPTION

Tremblay A:Impact of exercise intensity on body fatness and skeletal muscle metabolism.

新田 佳央:除脂肪体重と強度の異なる運動後の酸素消費量との関係

野村昌弘:長時間運動後のエネルギー代謝におよぼす影響