スポンサーリンク

【エクササイズコラム】究極の時短運動!HIITとは

Pocket

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

習慣的に運動やスポーツをしていない。その理由として最も多く挙げられるのは「仕事や家事・育児で忙しくて時間がない」ことです。今回は、たった1分で低〜中強度の運動を45分程度行なった時と同じ「ダイエット」「筋トレ」「有酸素能力」「メタボ改善」の効果が得られるHIITについてご紹介します。

何故、運動ができないか

東京都が平成31年2月に公表した、「都民のスポーツ活動・パラリンピック に関する世論調査」によれば、「この1年間で運動やスポーツをしなかった」または「週1日未満であった」と答えた人のうち、ダントツでトップだった理由としては

「仕事や家事・育児が忙しくて時間がないから」

というものでした。

出展:東京都「都民のスポーツ活動・パラリンピック に関する世論調査<概要> 」より

これは、「都会だから」という理由ではなく、同様の結果が平成27年に内閣府が行なった「 東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査」でも出ています。

内閣府は日本全国の市区町村に居住する満20歳以上の日本国籍を有する人3000人に対し行われており、以下の結果でした。

出展:内閣府「平成27年度 東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査> 」より著者作成

つまり、都会であろうが地方であろうが、運動を行なっていない理由は圧倒的に「忙しい」ということが示唆されます。

しかし、だからと言って運動をしないまま年齢を重ねていくと、メタボリックシンドロームやそれによる循環器疾患、がん、糖尿病などの生活習慣病への罹患率が高まり、死亡リスクが高くなります。

もし、たった数分で、1時間弱のトレーニングを行なった場合と同等の効果が得られる運動方法があれば、いかがでしょう?

HIITとは

HIITとは、「High-intensity interval training」の略で、ヒットまたは高強度インターバルトレーニングと言います。

その名の通り、高強度のトレーニングとインターバル(休息または軽い運動)を一定時間繰り返す運動です。

以前は一部のアスリートがトレーニングとして行なっていましたが、現在は心疾患患者・循環器系患者・メタボ患者の治療方法として取り入れられて来ています。

Tjønna AEらは32人のメタボリックシンドローム患者を「中等度の運動を行なった群」「HIIT群」「運動を行わなかった群」に分けて比較しました。

WisløffUらは、心疾患のある27人の患者を、上記と同様に、「中等度の運動を行なった群」「HIIT群」「運動を行わなかった群」に分けて比較しました。

 

 

結果は、4分間の HIIT の運動量 (エネルギー消費量) は比較群である 47分間の中等度の運動 (週 3 日で一般的に推奨さ れている週 150 分ほど) と同等か、それ以上の結果になったというものでした。

このどちらの研究でも、アスリートが対象ではなく、メタボリックシンドロームや心疾患患者が対象であり、そういった方々に対しても、体重減少、体脂肪率の低下、様々なリスクの軽減があったと報告されています。

さらに、GillenJBらは、デスクワーカーらを対象に、上記と同じくHIIT群と中等後の負荷量の運動を行なった群、運動を行わなかった群で比較しました。

この研究では、HIITは自転車エルゴメータを全力で20秒×3セットを行なっており、中等度の負荷量の運動では45分間自転車を中等度の負荷(最大心拍数の70%)で行なっております。

運動時間としては、HIITは合計1分間。中等度の負荷量の運動は45分間です。これを、週に3回、12週に渡り実施しました。

結果は、どちらも同等の最大酸素摂取量の増加や骨格筋ミトコンドリアの増加が見られました。

つまり、たった1分の運動が、45分間の運動と同様の効果があったことを示しています。

超時短エクササイズHIITの負荷量の設定

HIITは循環器系の改善、最大酸素摂取量の向上、筋ミトコンドリアの増加効果が、45分間の中等度の負荷量の運動と同様に得られると前述しました。

「忙しくて時間が取れない」方でも、数分間であれば時間が捻出できるのではないでしょうか。

HIITはまさに、忙しい人のためのエクササイズプログラムかもしれません。

HIITを行う上での注意点は、心拍数です。まずは「最大心拍数」を求めてみましょう。以下に簡易的な目安として計算できる式を記述しておきます。

最大心拍数 ≒ 220 ー 年齢

または

最大心拍数 ≒ 208 ー 0.7 × 年齢

上記はあくまで目安です。どちらの計算式も、完璧な数値ではありません。おおよそだと思ってください。

そして、運動負荷強度としては、運動にそれほど慣れていない方は最大心拍数の70%〜80%を基準にしましょう。

例えば、30歳の方が、220ー年齢の計算式を採用した場合で、70%の心拍数を強度とするなら、

220ー30=190×0.7=133拍/分

となりますね。

心拍数なんて測定できないよ!という方は、自覚的なしんどさを目安にしましょう。

最大心拍数の70%=ややキツイ

最大心拍数の80%=キツイ

最大心拍数の90%=非常にキツイ

です。運動中に「なんとか少しだけ会話ができる」程度であれば、負荷量としては十分だと思います。

運動の経験が少ない方は、ややキツイを超えない負荷量にしましょう。

逆に、「息が全くきれない」「ずっと会話していられる」という程度では、負荷がかかっていない只の楽な運動になってしまいますので、この負荷量はとても注意してください。

しっかりと負荷をかけないと、1分で45分の運動効果は得られません。軽い運動では1分=1分です。

HIITプログラム(初心者向け)

いよいよHIITの具体的な方法です。意外と単純です。

20秒間の高強度エクササイズ

10秒間の休息または軽い運動

20秒間の高強度エクササイズ

10秒間の休息または軽い運動

以上を3セット〜4セットです。初心者向けの具体的なプログラムにすると、以下の通りです。

ジャンピングジャック×20秒

10秒間休憩

膝つき腕立て伏せ×20秒

10秒休憩

高強度部分の運動は、負荷をかけられるものであれば、バーピーでもその場ダッシュでも、ジャンピングスクワットでも、おおよそ何でも大丈夫です。

上記はあくまで「運動経験はないけど、しっかり効果を出したい、でも時間がとれない」方向けのメニューと考えてください。

 

HIITで一気に体質改善をしましょう

従来から行われている、中等度強度の運動ももちろん効果があります。しかし、週に何回も1時間程度の運動時間を設けるのも、子育て世代で共働きの方々は特に大変です。

今回のHIITプログラムはそういった方々向けのエクササイズプログラムと言えます。

頻度の目安としては、週2回〜3回程度にしましょう。体調が悪い日は、70%の負荷でなくても構いません。大事なのは、続けることです。

ぜひ、奥さんや旦那さんを誘って、今日から取り組んでみませんか?

 

 

 

 

 

参考文献

Tjønna AE:Aerobic interval training versus continuous moderate exercise as a treatment for the metabolic syndrome: a pilot study.  PMID: 18606913 

Wisløff U:Superior cardiovascular effect of aerobic interval training versus moderate continuous training in heart failure patients: a randomized study. PMID: 17548726 

Gillen JB:Twelve Weeks of Sprint Interval Training Improves Indices of Cardiometabolic Health Similar to Traditional Endurance Training despite a Five-Fold Lower Exercise Volume and Time Commitment. PMID: 27115137