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【追記あり:熱中症対策!】どこをどう冷やすか?

2019年8月7日

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この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

夏本番です!高知ではもうすぐよさこい祭り。夜はあちらこちらで鳴子の音が鳴っています。

今回は、熱中症への対策として、どこを冷やせば良いかを書いていきます。

そもそも、冷やす目的は?

熱中症への対策は?と聞くと、ほとんどの方が

「水分補給と冷やすこと」

と答えると思います。もちろん正解です。しかし、「なんのために冷やす必要があるのか」を理解していないと、適切な対処ができないかもしれません。

例えば、冷えピタなどの冷感材を額に貼っている方がいるかもしれませんが、熱中症の対策としては全くと言って意味を成しません。

熱中症は、外的な暑熱や運動により、体の深い温度である深部温度(核心温)が過度に上昇し、脳機能や体の機能に異常をきたした状態です。

 

そのため、何よりまずは体の深いところの温度を下げる必要があります。

 

エアコンが効いている部屋にいても熱中症になる事があるのは、「体表は冷えても深部温度が下がっていないから」です。

まずは基本。首、脇、足の付け根の3点クーリング

首、脇、足の付け根にはそれぞれ太い動脈が通っています。この部位を、保冷剤や氷枕などを使って冷やすことは一定効果があると言われています。

動脈を冷やすことで、冷却された血液が全身を巡って速やかに深部体温を下げることができる。という考えですね。

多くの方が、ここを冷やすと良いということは、知っていると思います。

 

意外な部位、手のひら

実は、手のひらも深部体温を下げる目的で冷やす部位として、効果が高いと言われています。

睡眠医学でも、眠気は深部体温の低下とともに強まり、深部体温はは手のひらや足の裏から放出されると知られています。

その理由としては、手のひらは動脈と静脈が合わさる、動静脈吻合部(AVA:Arteriovenous Anastomoses)であるということです。

このAVAは、手のひらの他、足の裏・頬にあります。

この部分は、生体における天然のラジエーター(冷却器)の機能を果たしています。とある研究では、上記3点クーリングよりも深部体温を下げるスピードが早かったという報告もあります。

例えば、保冷剤を握る、冷えたペットボトルを持つといった事で効率的に深部体温を下げられる可能性があります。

我々の祖先であるサルは、顔や手のひら、足の裏以外はほとんど体毛で覆われています。こう言った事から、効果的に体温を下げる術として、AVAによる体温調節を身につけたのかもしれません。

この方法は意識がない場合は行いにくいため、どちらかというと予防策として利用する方が良いと考えられます。

 

最も効果的な冷却方法は

最も素早く深部体温を下げることができるのは、ズバリ「氷風呂に浸かる」です。

「Exertional Heat Stroke in Competitive Athletes」や「Effect of water temperature on cooling efficiency during hyperthermia in humans」と言った文献ではどの冷却方法よりも、

氷水が入った風呂に浸かる方法が、最も深部体温を下げるスピードが早かった

とされています。

しかし、トップアスリートが所属するチームでもない限り、常に氷風呂を用意するというのはあまり現実的ではない気もします。

氷風呂ほどではないにせよ、ホースなどで水をかけ続けるのも一定効果があると言われています。

 

熱中症になってしまったら

繰り返しになりますが、熱中症になってしまった場合は、速やかに深部体温を下げる必要があります。

応答が鈍い、言動がおかしい、意識がないといった重症の場合は、すぐに救急車の手配やAEDの用意など、緊急時の対応が必要です。

救急隊が到着するまでの間は、

1.速やかに涼しい場所へ避難する

2.着衣を可能な範囲脱がす

3.可能な限り効果的な冷却方法を行う

これらを速やかに実施し、1秒でも早く深部体温を下げてあげましょう。

追記:冷却方法

最も速やかに深部温度を下げることができるのは、氷水の入ったバスタブや簡易プールなどに入る、

氷水浴/冷水浴法

です。

その次に効果があるのは、水道水や冷水を全身にかけ続ける

水道水散布法

です。

これらがどうしてもできない場合は、室内でエアコンを最強にし、扇風機を最大にし、3点クーリングを含めた全身をアイスマッサージしましょう。

熱中症は何より予防が重要です。たまに、「暑いのに汗が少なくなってきたら注意」などとテレビで紹介してたりしますが、汗が少なくなっている時点で既に手遅れで、熱中症になっている可能性があります。

お気をつけください!

 

 

参考文献・資料

Exertional Heat Stroke in Competitive Athletes

Effect of water temperature on cooling efficiency during hyperthermia in humans

工藤 奨:寒冷血管拡張反応時の皮膚血流応答に及ぼす環境温の影響

スポーツ庁:スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック

井上 芳光:子どもと高齢者の熱中症予防策