運動不足だから太るのか?太っているから運動不足になるのか?
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どっちが先なの?
運動不足が肥満の原因のひとつとして指摘されていますが、「肥満が原因で運動不足になるのか?」「運動不足なので肥満になるのか?」という、まさに卵が先か鶏が先かといったような疑問を調べた研究を紹介します。
31787人のデータを解析
オーストラリアに住む45〜65歳までの31787人のBMI(肥満指数)と1日の座位時間を調査し、初回調査時から約3年後に再度調査を行い、BMIや座位時間の変化の関係性を分析しました。
もともと肥満の人はより長く座っている傾向
他の要因を十分に調整し分析した結果、初回調査時にすでに肥満であった人は、その後さらに座って過ごす時間が増加している結果となりました。(調整オッズ比 aOR:1.20)
さらに興味深いことに、元から1日8時間以上の座り続けている、運動不足の人は、その後の肥満傾向とは関連が見られなかったという結果となっています。つまり、この研究では、肥満になると、さらに長く座りがちとなる可能性があると結論づけています。
座り過ぎは運動不足につながるだけでなく、心疾患や脳血管疾患など、多くの生活習慣病リスクを高めるという研究結果も多く報告されていることから、立ったり座ったりを繰り返す仕事のスタイルが最も体への健康被害が少ないと考えられます。
終わりに
今回紹介した研究は、肥満になってしまうことで、さらに運動不足になるということを示唆していました。
肥満になる→さらに座る→運動不足でより太ってしまうという悪循環に陥らないようにすることが重要ですね。
参考文献:High sitting time or obesity: Which came first? Bidirectional association in a longitudinal study of 31,787 Australian adults.
[PMID: 24943057]