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睡眠とストレスと仕事

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この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

仕事や私生活において、強いストレスを感じる出来事があると、眠れなくなる経験をした方は多いのではないでしょうか。

例えば、大事なプレゼン、資格試験の合格発表の前日といった、瞬間的に強いストレスを感じるものであれば、それが終わればストレスはなくなります。

しかし、例えば職場環境が合わない、介護や育児、家族との別れといった、慢性的に強いストレスが加わることもあります。

こういったあらゆる場面で感じるストレスが、睡眠や仕事にどういった影響があるのかを書いていきます。

仕事におけるストレスと不眠

Kageyamaらの研究では、ホワイトカラーの日勤者223名を対象に、彼らを睡眠を「良い」と答えたグループ、「悪い」と答えたグループに分けて比較しました。

「悪い」と答えたグループでは、仕事の困難さや達成感の低さ、同僚のサポートの低さなどを示す得点が高いと報告しています。

Otaらは、1,022名の労働者を対象に、仕事のストレスと不眠症に関して2年間継続的に調査をしました。

すると、仕事への過剰な思い入れや、仕事の裁量権が低いかつ要求度が高い状態にある人は、不眠症になるリスクが約1.72〜1.75倍になり、逆にすでに不眠症であった労働者の特徴として、努力に伴わない報酬しか受け取っていないと感じている人は2.4倍程度不眠症が持続することを報告しています。

これらの研究からすると、職場のサポートがしっかり受けられているか、仕事に関して自分がどれだけ決定権があったり、コントロールが可能なのか、また量的な負荷は高すぎないか、努力と報酬は見合ったものかといったことが不眠症と強く関連します。

 

日本における最も強いストレスの原因

厚生労働省の労働者の健康状況調査によると、仕事や職業生活に関する不安や悩み、ストレス職場のストレス要因のうち、仕事や職業生活に関する強いストレスの有無及び内容別労働者割合」で最も高い割合を示したのは

「仕事における質・量」であり、

次点で「仕事の失敗・責任の発生等」、

次いで「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」

でした。

平成24年までの調査では、対人関係がトップでしたが、平成29年度になると順位が変わり、仕事における量・質がトップとなっています。

 

不眠と仕事

Y.Doiらが、東京圏の電気通信会社に勤める4,868名を対象にした調査では、不眠症の者は病気による休暇を取る可能性が高く、身体的および心理的な健康状態が悪く、職業活動や人間関係に悪影響があることを示しています。

 

つまり、睡眠を疎かにすることは健康状態を損ないやすく、さらに仕事上のミスや事故、欠勤の増加、作業効率の低下や対人関係の悪化などを招く可能性があります。

 

上記の研究結果を踏まえると、仕事の量が多かったり、自分でコントロールができない仕事などの何らかの強いストレスにより不眠症となると、仕事のミスがしやすい状態となり、それがさらに責任を発生させ新たなストレスの原因となり、不眠症を悪化させるという負のスパイラルを招きます。

 

睡眠対策はストレス対策

 

 

もはや睡眠を含めた健康は、個人の問題ではないということが常識となりつつあります。

従業員の睡眠に関する対策は、すなわちそれが職場におけるストレス対策となります。

残業時間が多いとストレスにつながるから、残業時間を減らす、というだけでなく睡眠に対するアプローチまで行う必要があるでしょう。

例えば、睡眠に関する情報提供を行う、昼休みなどに仮眠することを認める、などそれほど高いコストがかからないことから初めてみると良いかもしれません。

 

 

 

 

 

 

参考文献

T.Kageyama:Self-Reported Sleep Quality, Job Stress, and Daytime Autonomic Activities Assessed in Terms of Short-Term Heart Rate Variability among Male White-Collar Workers

A.Ota:Psychosocial job characteristics and insomnia: A prospective cohort study using the Demand-Control-Support (DCS) and Effort–Reward Imbalance (ERI) job stress models

平成 29 年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況