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「肩こり」を克服する~スマホ首編~

2019年7月25日

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この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

普段からパソコンやスマートフォなどのVDT機器に触れる時間の長い方、本をよく読まれる方などを悩ませる肩こり。

肩こりに悩み、病院に行くと大抵は、湿布や注射、またその病院の外来リハビリに通うことになります。もちろん、それで完全に治り、再発しなければ克服したと言えるでしょう。ですが、ほとんどの方が、治療やリハビリを受けた「その時だけ良い」のではないでしょうか?

 

今回は、その原因と対処法について触れていきたいと思います。解剖学・運動学などを交えて説明しますので、医療専門職でない方にはもしかしたら難しいかもしれません。

 

こりの原因となる疾患

肩こりは病名ではありません。症状の名前です。具体的に言えば、「背中と首の境界から、頭の付け根などに筋肉のツッパリ感や痛み、重さ、疲労感などがある状態」でしょうか。

そして、この肩こりを引き起こす原因には、大きな枠組みが2種類あります。それは、「原因となる疾患がはっきりしているもの」と「原因となる疾患がはっきりしないもの」です。

①肩こりの原因となる疾患

上記のものなどが主に肩こりを引き起こす疾患です。ただし、この疾患があれば必ず肩こりがあるというわけではなく、引き起こす原因になりうるという程度です。また、単一の疾患だけではなく、複数の疾患が原因で起こることも十分に考えられます。例えば、咬合不全(噛み合わせの悪さ)が元々ある方が、肩関節周囲炎を患い、肩こりが悪化する等も十分に考えられます。これらは、上記診療科目を受診することで、診察や画像診断(レントゲンやMRI、CTなど)などにより原因を特定することができ、それに対して治療を行うことで肩こりが改善できる可能性があります。

 

②原因のはっきりしない肩こり

上記のように、疾患がはっきりすれば病院などでの治療が可能となりますが、診察をはっきり原因がわからないものがあります。そういったものはよく「頚肩腕症候群」などと名前を付けられますが、恐らく湿布・注射・リハビリのいずれかの処方になるでしょう。そして、この原因のはっきりしない肩こりこそ、治療を受けた「その時だけ良い」肩こりです。

では、病院では原因が特定できなかった肩こりは何故起こるのでしょうか?

 

 

因不明の肩こりは何故起こる?

肩こりの症状は、「背中と首の境界から、頭の付け根などに筋肉のツッパリ感や痛み、重さ、疲労感などがある状態」と仮定させていただきました。それを引き起こす原因としては、以下のものが挙げられます。

①同一姿勢の保持・姿勢異常

②肉体的な疲労

③エアコンなどによる寒冷

④精神的な疲労・緊張・ストレス

これって、どういった所で起こりやすいかイメージできますか?

 

まさに、こんな状態ですよね。

VDT作業については以前の記事で触れておりますので、そちらをご参照ください。

 

[blogcard url=”http://industrial-conditioning-pt.com/ptot/vdtwork/″]

 

もちろん、VDT作業が全ての原因がわからない肩こりの、諸悪の根源である!というわけではありません。全ては、上記の条件を満たす「生活習慣」にこそ原因があると思われます。

 

こりの原因~スマホ首~

例えば、スマートフォン。こんな姿勢で使っていませんか?

 

 

このような姿勢(頭部伸展・頸椎屈曲位)を継続することで、顎を前に突き出したような姿勢が定着してしまいます。もちろん、持っているものがスマホではなく、本でも油揚げでも一緒です。顎を突き出したような姿勢では、頚椎の持つ生理的前弯が増強されます。その状態から、視線を前に戻す、つまり頸椎の伸展を起こそうとすると、ただでさえ増強された前弯がさらに強調されることになり、椎間関節への圧迫・剪断ストレスが強まります。

こういった作用により、悪い姿勢でも重たい頭を支えるために、本来ならそこまで働かなくて良い筋が過剰に作用し、また本来働かなければならない筋が筋力低下を起こし、肩こりを引き起こします。

マホ首を引き起こす筋

このような不良姿勢は、過剰に働き・短縮してしまった筋肉と、筋力低下・伸長している筋肉によって引き起こされています。つまり、シンプルに考えると、過剰に働いている筋肉に対してはストレッチやリラクセーションを、筋力低下が起きている筋肉には筋力強化を行えば姿勢が修正されることになります。

スマホ首を作り出す筋肉は以下のものがあります。

 

 

 

 

 

 

これらの筋肉を強化、あるいはストレッチをすることで、スマホ首への対処が可能となります。頚部固有背筋の外側・内側では、似通った作用を持ちますが、今回は単純な方法での対処として示していきたいと思います。

 

マホ首への対処~筋トレ~

スマホ首は頭部の伸展と頚部の屈曲で作られております。なので、頭部の屈曲と頚部の伸展方向へのトレーニングを行えば、改善できると考えます。つまり、顎を突き出す姿勢がスマホ首であれば、顎を引くような方向に運動すれば良いというわけです。

①タオルを使ったトレーニング

椅子などに腰かけ、タオルを頭の後ろにひっかけ、両端を持ちます。この時、首の後ろのみにタオルがかからないよう注意しましょう。

その状態から、まずは腕の重みに対し、顎を引くような方向に力を入れます。力を入れている間は、息をこらえたりせず、吐くようにしましょう。

②うつ伏せでのトレーニング

①はタオルと腕を使いましたが、今度はうつ伏せになることで重力を使います。いわゆる背筋の動きですね。うつ伏せでまずは両手は楽な場所から始めましょう。これも同様に、顎を引くように上体を伸展させます。もちろん、息は止めないように。

負荷が軽すぎるようでしたら、両腕を耳の横や、頭の前方など工夫して負荷を変化させましょう。

 

①②両方ともに、痛みが出現しない範囲でやることが望ましいです。

 

スマホ首への対処~ストレッチ~

①僧帽筋上部繊維・肩甲挙筋へのストレッチ

立位もしくは座位で行います。首をどちらか一方に側屈(首をかしげるように)します。この時、身体がついていかないよう、肩は水平を保つようにしてください。

側屈した方の手を耳のあたりに上から回し、腕の重さを利用してゆっくりと引き延ばします。この時、勢いをつけたり、思い切り引っ張ったりしないようにしてください。ポイントは、首から肩にかけて「痛気持ちいい」くらいのストレッチ感です。そして、反対の手は背中の方に回し、腰に手の甲があたるような姿勢を保ちます。

 

②僧帽筋・肩甲挙筋双方へのリラクセーション

これも立位または座位で行います。両肩を同時に、思い切りすくめます。3秒ほど全力ですくめたら、一気に「ストン」と力を抜きます。これを10回ほど繰り返します。

この手技はhold relax(ホールドリラックス)といい、思い切り力を入れた後は、力を入れる前よりリラックスする現象を利用したものです。僧帽筋などに限らず、どの筋肉に対しても同様の現象が起こりますので、ストレッチの際などに使われたりします。

 

この①②を使い、過剰に働いている筋肉を緩めていきましょう。

 

とめ

スマホ首に限らず、姿勢というものは筋肉のバランスによって作られています。つまり、猫背なども同様に、どこかの筋肉が過剰に働いているか、どこかの筋肉がちゃんと機能していないかによって作られています。

そして、その筋肉のバランスとは、日常における生活習慣によって繰り返し繰り返し強化されてしまいます。

肩こりはとても多くの原因によって引き起こされますが、大元になるのは生活習慣かもしれません。病院では、症状である肩こりに対して治療ができても、原因となる生活習慣までは中々見てくれません。どんな生活習慣がどんな筋肉のバランスを作るのか、それを紐解くことで、長年の悩みが解消する可能性があります。

一朝一夕には身体の変化は起きないかもしれませんが、「できることから始める」ことが、一番の近道だと考えます。

肩こりや腰痛は多くの人が抱える悩みです。その悩みが何故起きているか?を、シリーズで掲載していきたいと思います。