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腰痛を克服する④~認知行動療法と薬~

2019年4月28日

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この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

前回の記事では、腰痛におけるガイドラインや画像診断の必要性について書きました。今回は腰痛を克服するためには、どういったことをすればいいのか?について触れていきます。

前回の記事はこちら

各国の腰痛に対するガイドライン、前回は安静と画像診断にフォーカスを当てて書きました。今回は少しおさらいをしながら、別の部分にフォーカスを当てていきます。

腰痛診療ガイドライン(2012.日本)

  • 腰痛の発症と遷延に心理社会的因子が関与
  • 運動不足,喫煙は腰痛発症に危険因子
  • 画像検査を前例に行う必要はない
  • 安静は有効な治療法ではなく,活動性維持が有効
  • 痛みに応じた活動性維持は痛みの改善,休業期間の短縮,再発予防に効果的
  • 電気治療,牽引の有効性のエビデンスは不足
  • 徒手療法,マッサージ,鍼治療は他の治療法より効果があるとはいえない
  • 患者教育は腰痛の自己管理に有用
  • 運動療法及び認知行動療法は亜急性または慢性期の腰痛に有用

赤文字の部分に注目して頂きたいのですが、腰痛を克服するためには運動することが必要とガイドラインには示されています。それについて解説していきます。

認知行動療法とは

人は、色んな出来事や物事に対し、自動的に思考してしまったり、感情を抱いてしまう動物です。例えば、仕事でミスをしてしまい、上司や先輩に注意を受けたとします。それに対し「何でこんな些細なミスでガミガミ言われなきゃいけないんだ」や「失敗してしまった自分が悪い、自分はなんて能力が低いんだ」とネガティブな思考・感情を抱いてしまうといった事です。

認知行動療法は、私たちの認知(ものごとに対するとらえ方)を修正することで、気分や行動を変化させようというものです。

上記の例で言うと、ミスをして上司や先輩に注意を受けた事自体に変化はありませんが、「わざわざ自分のために時間を作ってくれて、直すべきところを言ってくれている。感謝しないと。」や「この失敗を次に生かすことが、自分の成長につながる」といったポジティブな思考に修正することが、認知行動療法です。

腰痛に対する認知行動療法とは

  • 医療従事者がすべての痛みを取り除けるわけではない
  • 痛みが必ずしも身体の重篤な傷害を意味しない
  • 適切な身体活動は、痛みを減少させる
  • 痛みがあってもそれなりに生活を充実させていくことが、長期的には痛みの軽減につながる
  • 毎日の生活を振り返り、日常的に行う決まった活動、優先的に行う必要のある活動、楽しめる活動ややりがいのある活動を、優先順位をつけて実施する

という考え方をする事が必要です。病院に行って、大してよくならなかったら「自分の腰痛はそんなに重症なのか!」とより腰痛に囚われる思考になります。また、動かない事は逆に腰痛の悪化や再発を招くため、動ける範囲で動くことが適切な対処ということになるでしょう。

大事なのは、今まで思っていた腰痛に対する固定観念を捨てることです。

腰痛に薬物療法は有効か

腰痛に対する痛み止めの処方は有効なのかどうか。エビデンスのグレード(医学的根拠があるか)について書きます。

(腰痛診療ガイドライン2012)

Grade Aが最も高い医学的根拠になります。

腰痛に対して薬物療法は有用である。(Grade A)

  • 第一選択薬は急性・慢性腰痛ともに以下の薬剤を推奨する。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)(Grade A)

アセトアミノフェン(Grade A)

  • 第二選択薬は急性腰痛に対して以下の薬剤を推奨する。

筋弛緩薬(Grade I)

  • 第二選択薬は慢性腰痛に対して以下の薬剤を推奨する。

抗不安薬(Grade A) 運動によっても得られる効果

抗うつ薬(Grade B)  運動によっても得られる効果

筋弛緩薬(Grade I)

オピオイド(Grade A)  運動によっても得られる効果

上記の図を基に説明しますと、腰痛に対する薬剤は医学的根拠があり、特に発症1カ月以内の急性腰痛に関しては非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が効果が高いと示されています。逆に、それ以降の慢性腰痛に関しては、実は運動によっても薬剤と同様の効果を得ることができます。

まとめ

腰痛を克服するためには、考え方や薬、運動が有効ということがわかってきています。少し長くなってきましたので、次の記事でもう少し詳しく腰痛に対する考え方や脳との関連を書きたいと思います。

次の記事はこちら