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腰痛を克服する⑤~腰痛と脳との関係~

2019年4月28日

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この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

以前の記事で、腰痛に対し安静は推奨されてませんよ~と書きました。では、実際にどうして安静がダメなのか?また、腰痛に対する考え方と脳との関連について書いていきます。

安静臥床は治療として推奨されていない

このグラフは以前の記事にもありましたね。少しおさらいと思ってください。

安静は身体機能の色々な部分に障害を及ぼします。それについては以前の記事をご覧ください。

さて、腰痛において安静は推奨されず、活動性を保つことが大事とここまで書いてきました。何故、それが重要なのかは以下の画像で示します。

痛みや再発への恐怖心は脳に負の学習を招きます。本来は腰部の組織の損傷は軽微なものなのに、脳が過剰に反応し、痛みを感じる。つまり、「腰が痛い」のではなく、「脳が痛い」と感じているのです。これは、外的要因による心理的ストレスによっても増大することがあります。

つまり、軽微な腰痛に心理的ストレスが重なることにより、脳が機能障害を起こし、本来の痛みより何倍もの強さの痛みを、脳が錯覚してしまうのです。そして、痛みの事が頭から離れなくなると、脳はその情報を伝達する神経回路を強化し、わずかな動きでも強い痛みを感じてしまう神経回路が構築されてしまいます。これが不の学習です。

以前の記事で書きました、「自己管理しうる腰痛は脳の機能障害である」は、このメカニズムによって引き起こされています。

痛みの抑制システムとストレスについて

人間の正常な脳の機能として、痛み刺激が加わると、脳にある「ドーパミンシステム」と呼ばれる回路が、快感物質であるドーパミンと鎮痛作用のあるオピオイドを分泌することで、感じた痛みを軽減させようとします。

しかし、心理的ストレスにさらされると、ドーパミンシステムの機能異常が起き、鎮痛作用のあるオピオイドが分泌されず、痛みの軽減につながらなくなってしまいます。

それどころか、自律神経伝達物質であるセロトニン(体内時計を管理し、適切な睡眠サイクル等を作り出す働きがある)が正しく分泌されず、自律神経が乱れ、筋緊張更新や血液循環不良、睡眠不足に陥り、悪循環になってしまいます。

つまり、心理的ストレスが加わることで痛みの抑制システムが壊れてしまい、いつまでも痛みに囚われてしまう結果になるのです。

さて、脳が不の学習をすることで、腰痛が悪化すると書いてきました。では脳が不の学習をしてしまう、考え方がどんなものかというと、

痛みに対する考え方(脳機能の不具合)

  • どうすれば痛いか? 痛みを起こす動作(姿勢)を記憶し、その動作(姿勢)をすると痛みが増強(感じやすく)する
  • どこが痛いか? 炎症が鎮静化されても、長期記憶が形成され、慢性の痛みとなる
  • 治療によって痛みが改善するか? 電気治療、マッサージ、マニピュレーション、鍼等の治療によって即時的な痛みの減少が他者によって実施されると(他者への)依存が生じる
  • 他者による短期的な効果では、対処療法であり根本的な治療に繋がらない 「定期的に通ってね」等の言葉かけにより、依存が増強する

というような事が挙げられます。もちろん、腰痛に対するマニピュレーションや整体に通うことがダメと言っているわけではありません。あくまで、腰痛を持っている方がこういった思考をしている場合は、依存を招く可能性があるということです。

腰痛を克服するということは、誰かに治してもらうということではありません。自己管理しうる腰痛を、自己管理するためには、自身の思考が一番大きい影響を持つと思います。

では反対に、ドーパミンシステムを正常に働かせる、正の学習をさせる腰痛への思考は以下になります。

痛みに対する考え方(正の思考)

  • どんな時に痛みが改善するか? 痛みが何かのきっかけ(運動、リラックス、音楽、コミュニケーション:できれば自発的な事柄)によって良くなることを積み重ねると、痛みをコントロールできると認識(記憶)する。
  • 痛みの部位・性質が変わるか? 部位や性質が変化する場合は器質的な問題より、感じる脳機能の不具合だと認識する
  • 現在の自分を変えないと変わらない 他者からの介入は「変えるきっかけ」として利用する マッサージ、薬物、で楽になったその日から運動を開始する

痛みは軽減するものであり、コントロールできるものであるという考えの基、そのきっかけとして、整体やマニピュレーションを用いるというのが良い使い方だと思います。

まとめ

今回は認知行動療法を行う上での、少し具体的な考え方について書いてきました。脳のホルモンやメカニズムについても書きましたので、少し難しかったかもしれません。

次回は、どういった運動などが効果があるのかについて書いていく予定です。